ビッグタイトルになった、今あえてGIANT KILLINGが面白いと言う

2007年の連載開始から今年で12年、既刊50巻になるビッグタイトルとなったGIANT KILLING(ジャイキリ)。サッカー漫画として選手から監督を中心とした「大人の群像劇」を描き出した鮮烈な作品として印象深く、この間、現実でも日本代表が二度のW杯に臨み、サッカー人気と共に大きな存在感を作るに至った。しかし、長く続けば安定こそするが、その安定こそが退屈となりかねないのもエンターテインメントとして悩ましい問題となる。現実のサッカーも根強いファン層を獲得はしたものの、往時の熱気は忘れられて久しい感がある。

ジャイキリが「今」面白いと思える所はそこ…長く続いたからこそある閉塞感から逃げていない事にあると感じる。若手の躍進という誰もが、それこそサッカーへの情熱を忘れていた人や関心を持っていなかった人に対してさえ訴求するパワフルな話題に留まらず、選手生命に影を落とす怪我、スランプ、年齢、経験から来る重圧、そして引退といったどうしようもなく重く圧し掛かる現実すらも飲み込み、それでもそれぞれの道を懸命に模索する人間を「サッカーを通して見える世界」として描き切ろうとしている力強さにこそ魅力を感じずにはいられない。これは長く続いたタイトルであるからこそ描ける世界だと言えるものだろうし、こうした世界を描く事が出来る広さと強さを持ったタイトルへと成長した事へ称賛を禁じ得ない。ジャイキリという作品に一つの終点が見えつつある事を感じさせる展開ではあるが、ぜひとも走り切った先の世界を見せて欲しい作品である。

スキップ・ビートは恋愛がじれったい

花とゆめでもう10年以上連載が続いている芸能界を舞台とした少女漫画ですが、主人公が好感が持てるタイプなところが好きです。幼少期に親の愛をそこまで知らずに育ち、初恋は打ち砕かれ、女友達も芸能界に入るまでいないという壮絶な体験をしながらも、恋愛を信じない面以外は腐ることなく真っすぐに育ったところはすごいです。芸能人としては容姿は平凡だけど、メイクによって美女に化ける見た目と演技のギャップがカッコいいです。モー子さんとの掛け合いも好きです。

恋に臆病な主人公が無意識に蓮に恋している描写はあれど、百戦錬磨の先輩の蓮は主人公に恋をしているのは確実だけど、主人公を捨てた幼馴染は主人公を好きなんじゃないのという描写はあれど、レイノや坊関連の事務所の先輩は主人公に好意的な感じはあれど、主人公の恋は逆ハーレム状態にありながら、恋愛が進まず、蓮とショーの三角関係にハラハラさせられるという、ヤキモキするじれったい恋愛の結末を見たいようで、まだ終わってほしくないので見たくない気持ちになる漫画です。

天堂家物語

この物語は、捨て子だった少女の育ての親のおじいさんが亡くなってしまった事から話しが始まります。少女はお爺さんが亡くなってしまい生きる意味が分からないので自殺を試みますが失敗に終わります。それならば人を助けて死んで胸を張っておじいさんの元にいこうと考えます。ある日川で女の人が倒れているのを発見して助けます。その女性は天堂家に嫁ぎにいく最中で恐ろしい噂がある天堂家にお嫁に行き怖い思いをするぐらいなら死にたいというのです。少女はその女性「鳳城蘭」の身代わりとなり天堂家にお嫁に行くことななりました。蘭の結婚相手の男性「天堂雅人」はすぐに蘭が偽物だと気づき一度は逃がしますが、ひょんな事から戻ってきた蘭の身体能力のたかさや人を助けて死にたいという蘭を気に入り自分を助けて死ぬように命令します。最初は家に戻りたがっていた蘭でしたが家を雅人に燃やされてしまい行く場所が無くなり天堂家に住むことになります。表向きは天堂家の使用人として。裏では顔を隠して「鳳城蘭」として生きて行く事になります。

この話に出てくるキャラは一癖も二癖もあるのですが、ある意味そこが魅力的です。多くの伏せんがまだ解決されておらずまだ続くと思われます。蘭と雅人の恋愛模様も気になるところで、お互い惹かれ合っているのに自分の気持ちに素直になれない感じがもどかしいですね。恋愛が分からない蘭とは違い、雅人の場合は好きな人は作らないと決めているようで、まだ謎な部分が多いこのお話。個人的には話の中盤に出てくる「カラス」という男性も好きです。卑怯だし冷酷なんですが良いキャラしてます。